ドラパルトexはなぜ強いのか?カードの仕組みと2026年の大会結果から考える
ポケカのスタンダードで環境の中心にいるドラパルトex。ファントムダイブ、ドロンチの特性、倒されにくさ、組み合わせるカードを入れ替えられる構築の幅の4つから強さを整理し、CL・PJCS・WCS2026の結果とあわせて解説します。

2024年4月26日発売の拡張パック「変幻の仮面」に収録されたドラパルトex。
2年以上たった2026年9月現在も、圧倒的Tier1に君臨する現環境最強デッキのひとつです。
8月にアメリカ・サンフランシスコで開かれた世界大会(WCS2026)では、マスター部門の優勝デッキにもなりました。
レギュレーション変更まで残り約4か月。ドラパルトexは最後までTier1に居座るのか?
この記事では、カードの効果と2026年の大型大会の結果から、ドラパルトexがなぜ強いのかを整理します。 レギュ落ちまで使い続ける方は、どの型を選ぶかの参考に。ドラパルトexと当たる側の方は、どこを狙えば止められるかの参考にしてください。
※大会結果は各大会の公式発表、使用数は公式発表からの当サイトの集計と攻略サイトの公開データによります(2026年9月11日確認)。
ドラパルトexの強さは4つの要素から成り立っている
- ファントムダイブ1回で、バトル場とベンチの2か所からサイドを狙える
- 2進化なのに、進化の途中のドロンチが手札を増やしてくれる
- HP320と耐久が高く、弱点もなく、ベンチにいる間はワザのダメージを受けない
- 進化ラインはそのままで、組み合わせるカードを入れ替えて環境に合わせられる
1〜3はカードそのものの性能、4はデッキとしての強さです。当サイトでは、ドラパルトexが長く勝ち続けている理由としていちばん大きいのは4だと見ています。
まずはカードの効果から
ドラパルトexとドロンチのカード


ドラパルトex(2進化・HP320・ドラゴン)
テラスタル:このポケモンは、ベンチにいるかぎり、ワザのダメージを受けない。
【無色】ジェットヘッド 70
【炎】【超】ファントムダイブ 200
ダメカン6個を、相手のベンチポケモンに好きなようにのせる。弱点:なし 抵抗力:なし にげる:1
ドロンチ(1進化・HP90・ドラゴン)
特性「ていさつしれい」
自分の番に1回使える。自分の山札を上から2枚見て、どちらか1枚を選び、手札に加える。残りのカードは、山札の下にもどす。【炎】【超】リューズヘッド 70
※カードテキストは2026年9月11日時点のもの。
出典:ポケモンカードゲーム公式 カード検索(ドラパルトex)、拡張パック「変幻の仮面」4月26日(金)発売決定!(株式会社ポケモン)(2026年9月11日確認)
理由1:1回の攻撃で、2か所からサイドを狙える
ファントムダイブは、バトルポケモンに200ダメージを与えたうえで、ダメカン6個を相手のベンチポケモンに好きなようにのせるワザです。ベンチにダメカン6個(60ダメージぶん)をばら撒けるので、相手の小粒のポケモンをまとめ取りすることが可能となっています。
ファントムダイブ1回であれば受けてもすぐに致命傷にはなりませんが、ドラパルトexをきぜつさせられなかったとき、再度ファントムダイブが飛んできます。 そうなると、先程ばら撒かれたダメカンにさらにダメカンが乗って、バトル場のポケモンだけでなくベンチのポケモンまで一気にきぜつさせられるのです。
つまりファントムダイブは、うまく決まれば1回の攻撃でバトル場とベンチの複数のポケモンをきぜつさせ、サイドを一度に複数枚取れるワザです。相手がベンチで育てている進化前のポケモンを倒せば、相手は攻撃の準備をやり直すことになります。進化するポケモンを並べて戦うデッキにとっては、特に厳しいワザです。
ヨノワールと組み合わせると、HP330にも届く
ヨノワールの特性「カースドボム」は、ヨノワール自身をきぜつさせる代わりに、相手のポケモン1匹にダメカンを13個(130ダメージぶん)のせる効果です(カードテキストは理由4に載せています)。
ファントムダイブの200とカースドボムの130を足すと330。HP330のポケモンexにも、1回の番で届く計算になります。
このタッグが凶悪すぎます。通常の2進化ポケモンexであれば、ファントムダイブの200は1回は耐えて、次の返しに行動することができます。しかし、カースドボムを絡められると、HPの高い2進化ポケモンexでもワンパンで倒されます。さらにベンチにもダメカンがばら撒かれるので、次の番にはベンチのポケモンまで倒されかねません。
カースドボムを持つヨノワールラインがいることがドラパルトexの強みを最大限に引き出しているのです。
理由2:2進化なのに、進化の途中で手札が増える
ポケモンカードにおいて、2進化のポケモンを進化させるのは相当大変なことです。
通常ルートを辿れば、たね→1進化→2進化と、攻撃できるようになるまでに番数とカードを使います。途中で進化前を倒されたり、進化に必要なカードを引けなかったりすると、攻撃が止まってしまう。2進化のデッキによくある弱点です。
ところが、ドラパルトexは、進化前のドロンチが特性「ていさつしれい」を持っています。山札の上から2枚を見て1枚を手札に加えられるので、ドロンチが2匹いれば毎番2枚、3匹いれば3枚、手札を増やせます。2枚の中から選べるため、欲しいカードに届きやすいのも利点です。
この特性が強すぎる!進化の途中の段階で、もうデッキを回す役を果たしている。ここが、ほかの2進化デッキとの大きな違いです。
現在の環境の2進化ポケモンだとマリィのオーロンゲexやカミツオロチexなどがいますが、いずれも1進化のポケモンは手札を増やす特性を持っていません。そのため、これらのデッキは安定性に欠け、デッキの最大出力を出す前に負けてしまうということがよくあります。
しかも、今はサポートによるドローが弱いカードプールなので、特性を持つドロンチの存在がより価値を増している状況です。
なお、FGHレギュレーション環境においてはサーナイトexという2進化ポケモンが猛威を振るっていましたが、サーナイトも1進化ポケモンのキルリアが「リファイン」という手札を1枚捨てて2枚引くという強力な特性を持っていました。 このことから1進化が手札を増やす特性を持っていると強いデッキになるということがわかると思います。
理由3:HP320・弱点なしで、倒されにくい
ドラパルトexはHP320で、弱点がありません。相手は弱点を突いてダメージを増やす方法が使えず、1回の攻撃で倒すには320以上のダメージが必要です。
ここがずるいところです。ポケモンカードの弱点システムは他のカードゲームと違って、メタをつくりやすいシステムです。しかし、ドラゴンタイプは弱点がないため、ドラパルトexに明確に有利を取れるデッキが台頭してこなかったのです。その分、ワザに2種類のエネルギーが必要というデメリットを抱えていますが、今は「アカマツ」と「メイのはげまし」というサポートでエネルギーを加速する手段もあるので、あまりデメリットになっていません。
現環境には唯一、ドラパルトexに弱点を突けるリーリエのピッピexというポケモンがおり、特性でドラゴンタイプに弱点を突くことができます。 このカードがあってもTier1にいるがドラパルトexのすごいところ。 とはいえ、リーリエのピッピexはドラパルトexに弱点を突けるものの、HPが190と低く、ドラパルトexのファントムダイブでワンパンされてしまうのが扱いづらいところです。
理由4:組み合わせるカードを入れ替えて、環境に合わせられる
ドラパルトexのデッキは、ドラメシヤ・ドロンチ・ドラパルトexの進化ラインを中心に組みます。
この進化ラインは同じまま、残りの枠に何を入れるかで、いくつかの型に分かれます。
| 型 | 組み合わせる主なカード | ねらい |
|---|---|---|
| ボムドラパ型 | ヨマワル、サマヨール、ヨノワール | カースドボムで打点を足し、ベンチのポケモンもきぜつさせてサイドを進める |
| ノココッチ型 | ノコッチ、ノココッチ | にげあしドローで山札を引き、ドロンチを進化させた後も手札を保つ |
| バシャドラパ型 | バシャーモex | たぎるとうしでトラッシュの基本エネルギーを場に戻し、攻撃を続ける |
| 危ない廃墟・クラッシュハンマーを入れる型 | 危ない廃墟、クラッシュハンマー | ・ベンチに出るたねポケモンにダメカンをのせる ・相手のエネルギーを減らす |
よく組み合わされるヨノワールとノココッチ


ヨノワール(2進化・HP160・超)
特性「カースドボム」
自分の番に1回使えて、使ったなら、このポケモンをきぜつさせる。相手のポケモン1匹に、ダメカンを13個のせる。【超】【超】【無色】かげしばり 150
次の相手の番、このワザを受けたポケモンは、にげられない。
ノココッチ(1進化・HP140・無色)
特性「にげあしドロー」
自分の番に1回使える。自分の山札を3枚引く。その後、このポケモンと、ついているすべてのカードを、山札にもどして切る。
ボムドラパ型は、ファントムダイブのダメカンとカースドボムを合わせて、一度に何匹ものポケモンをきぜつさせることを狙う型です。
ノココッチ型は、ドロンチをドラパルトexに進化させると手札を増やす役が減る、という弱点をノココッチの特性で補う型です。
バシャドラパ型は、ドラパルトexのエネルギーが間に合わない問題を解決するバシャーモexを採用した型です。ボムドラパ型に次いで多いのがこの型です。
2026年の大型大会の結果
国内:CL・PJCSでの優勝
| 大会 | 開催日 | ドラパルトexのデッキで優勝したリーグ |
|---|---|---|
| CL2026 福岡 | 2月21日・22日 | シニア |
| CL2026 大阪 | 3月28日・29日 | ジュニアDAY2 |
| CL2026 愛知May | 5月9日・10日 | マスター、シニアDAY1、シニアDAY2、ジュニアDAY1 |
| PJCS2026 | 6月6日・7日 | シニア、ジュニア |
世界大会:WCS2026のベスト8の半分がドラパルトex
8月28日〜30日(現地時間)のWCS2026は、レギュレーションマークH以降のカードを使うスタンダードで行われました。公式サイトが公開している各部門のベスト8のデッキは、次のとおりです。
| 部門 | 優勝デッキ | ベスト8のうちドラパルトexのデッキ |
|---|---|---|
| マスター | ドラパルトex | 3 |
| シニア | フーディン | 4 |
| ジュニア | ドラパルトex / ヨノワール | 5 |
3部門のベスト8、あわせて24デッキのうち12デッキがドラパルトexでした。
マスター部門の優勝デッキはヨノワールを入れず、ノココッチを1枚、クラッシュハンマーを4枚、危ない廃墟を2枚入れた構築です。ジュニア部門の優勝デッキはボムドラパ型でした。同じドラパルトexでも、世界大会の優勝デッキの形は部門ごとに違っていた、というのも理由4を裏づける結果ではないでしょうか。
出典:TCG Masters Division、TCG Senior Division、TCG Junior Division(2026 Pokémon World Championships、Pokemon.com、2026年9月11日確認)
ドラパルトexの弱点
ここまで見てきたように、ドラパルトexは無類の強さを誇るデッキですが、穴もあります。 ドラパルトexに勝つためにはその穴をついていく必要があり、使う側はその穴を理解した上でデッキを回す必要があります。
エネルギーが間に合わない
ドラパルトexを回してて一番課題になる部分はここではないでしょうか。 ドラパルトexはドラゴンタイプなので、種類の異なるエネルギーを2つ付ける必要があります。これが難しく、基本炎エネルギーはあるのに基本超エネルギーを持っていないといったシーンはよく見受けられます。
この穴を補うためにサポート「アカマツ」が約2枚採用されているデッキが多いですが、アカマツを使うと手札が伸びないといったジレンマがあります。ほかに、「メイのはげまし」を入れている人もいます。 ボムドラパ型やノココッチ型では、「アカマツ」と「メイのはげまし」以外にエネ加速手段がないため、相手もそこを狙ってきます。
進化前のドロンチ、ドラメシヤにエネルギーが1枚だけ付いているとボスの指令で呼び出され、そこから積極的に倒されていきます。
そのため、対策としては、育てていく過程でエネルギーを一つのドラメシヤ・ドロンチに付けるのではなく、分散して手張りするなどして、どのドラメシヤ・ドロンチを倒されても問題がないような保険をかけておく必要があります。
進化前を倒されると、攻撃が遅れる
2進化ポケモンであるということも弱点の一つです。ドラパルトexが攻撃し出すには、2回の進化に加えて種類の異なるエネルギーを2つ付けるという中々ハードルの高い壁があります。
育てていく過程でボスの指令でドロンチを呼び出され、きぜつさせられると、やはり攻撃のテンポが遅れていきます。
2進化デッキである以上どうしても避けられない穴ではありますが、1進化のドロンチがていさつしれいで山札を引けるぶん、ほかの2進化デッキより安定感が高いのがドラパルトexの強みですね。
対策としては、ふしぎなアメの枚数を多くしたり、手札が整うまではスボミーのむずむずかふんでグッズロックして、時間を稼いでから攻撃に移るなど、焦らずに盤面を整えることが重要です。
たねポケモンexで速く攻めるデッキ
最近流行っているファイアローexと組み合わせたメガレックウザexなどのたねポケモンexを主軸としたアグロデッキは、上で挙げたようなドラパルトexの攻撃までに時間がかかるという穴を突いていけるデッキとして評価できます。
ドラパルトexが盤面を整える前に攻めきられる展開は、やはり苦しいです。
しかも、非exのポケモンと違ってHPが高いので、ファントムダイブでサイドまとめ取りが難しく、カースドボムやボスの指令を絡めないとファントムダイブの強みを活かしきれません。
そのため、最近はノココッチexを採用したデッキが増えています。ノココッチexのワザ「ぎゃっきょうテール」は無色エネルギー1個で使え、相手の場の「ポケモンex」の数×60ダメージを与えるので、たねポケモンexを主軸としたデッキにはかなり強い1枚です。
ノココッチexのカード

ノココッチex(1進化・HP270・無色)
【無色】ぎゃっきょうテール 60×
相手の場の「ポケモンex」の数×60ダメージ。【無色】【無色】【無色】ドリルブレイク 150
このワザのダメージは、相手のバトルポケモンにかかっている効果を計算しない。弱点:闘×2 抵抗力:なし にげる:3
※カードテキストは2026年9月15日時点のもの。
数が多いぶん、対策されやすい
環境でいちばん数が多いデッキなので、ほかのデッキはドラパルトexに勝つことを考えて組まれます。明確なメタデッキとしては、Nのゾロアークexデッキやばけがくれデッキが挙げられます。
ですが、ドラパルトexに強いデッキが他の環境デッキに勝てるかというとそうではなく、やはり全体的に俯瞰するとドラパルトexを使用することが最も勝率を担保できる選択肢となります。
まとめ
ドラパルトexが強い理由について整理してみました。日頃、大会に出場している方にとっては既知の事実かとは思いますが、改めて強さの本質を理解し、デッキ構築やプレイングに活かしていただければ幸いです。
